今回は、ITシステム運用の重要性とその強化としての新たな取り組みの必要性について、最近強く感じることが多く、以前のエントリとも繋がりますが、改めて述べたいと思います。
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今月「AWS Summit Tokyo 2015」が開催されました。クラウド事業者としてマーケットをリードするAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)を提供するアマゾンデータサービスジャパンが、年次で開催する最も大きなカンファレンスイベントです。
弊社もAWSのテクノロジーパートナーとして様々なサービスをAWS上で運用している関係上、各種サービスの最新技術情報や企業における導入事例などの情報収集すべく、私も参加してきました。
基調講演で代表取締役社長の長崎氏が「Cloud has become the new normal(クラウドは新しい標準になった)」という言葉で表現されていたように、企業におけるクラウド利用への潮流は確実に進んでいていると感じました。
クラウドの利用が拡大していく理由として、
- スピード・俊敏性の重要性
- 顧客ニーズの多様化
- データ活用・分析の拡大
- 既存設備の有効活用
- etc
こうした状況の中、企業がクラウド利用してビジネスを拡大していく上では「ITシステムの運用」について留意すべきであると私は思います。
クラウドであれば「設備は持たない」だから「システムのお守り=運用は必要ない」というのは誤解(今どきそんな考えの人が居ないかもしれませんが)で、今の企業のクラウド利用の形は、戦略的にクラウド上でシステムをデザインし、適切に維持・運用していくことが前提になっています。
システムが実現するサービスレベルを維持するための可用性や性能、さらにコスト抑制という様々な要素を踏まえて、適切に維持・運用していくという点では、従来のオンプレミス型で構築されたITシステムの運用と同じく極めて重要であると感じます。
実際に、このカンファレンス内で講演されていた「システム運用」をテーマとしたいくつかのセッションは、どれも超満員(もちろん私も参加)でした。
以前のエントリでは、「情報システム運用時の定量的信頼性向上方法に関する調査報告書」(IPA/SEC)の内容を元に、
- 「運用コスト」と「運用に起因する障害発生」の比率が増加している
- 運用ツール・取り組みとしての「障害予兆検知」について関心が高まっている
大規模化、複雑化、多様化するITシステムを適切に運用するためには、
ITシステムの運用実態を適切に把握し、
その運用監視を強化する(可視化による状況把握から変化に気づくための予兆検知の実現)
というアプローチ
つまり従来の運用監視ではなく、「障害予兆検知」といった技術・サービスの導入を本格化していことが必要であると改めて強く感じます。
更に、今後はITシステムのみならず、SDN/OpenFlowといった制御可能な仮想NW機器、IoT/M2Mで重要な役割を果たす各種センサー等、様々なインフラ・デバイスに対する運用強化が求められてくるのではないかと考えます。
こうした分野に携わる一実務者として、企業において「ITシステム運用の重要性」が認識され、その強化を目的として「障害予兆検知」といった新たな技術・サービスへの取り組みが進んでいくことを期待します。
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