2012年10月31日水曜日

PPMツールの導入事例について

藤原です。
今回は、CA社発行の情報誌『Smart Enterprise vol.6』にて、PPM(Project Portforio Management)製品の新しい導入事例が紹介されていましたので、その話を少し。

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情報誌に掲載されていたのは「三菱東京UFJ銀行」が2012年1月より「CA Clarity PPM」を導入した事例に関する記事です。

同製品の導入事例としては、以前のエントリ「PPMツールの導入事例について思うコト」にて「アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)」の事例を紹介しましたが、今回紹介する「三菱東京UFJ銀行」の事例は、導入目的や利用方法が異なっています。

※「アフラック」の導入事例に関する詳細はコチラを参照ください。

「アフラック」では、IT投資案件の可視化とガバナンスを目的として導入している(ポートフォリオ管理を支援するツールとして)のに対し、今回の「三菱東京UFJ銀行」の事例では、プロジェクト管理の効率化と情報共有を目的としている(プロジェクト管理を支援するツールとして)点で違いがあります。

記事にて紹介されている内容をまとめると、

【導入の目的】

常時300ものプロジェクトが稼働している状況において、プロジェクト管理に関する以下の課題への対応が必要だった。

  • 効率化:同行ではPMBOKに準拠した管理手法が確立している。しかし個々の作業レベルで、進捗管理/WBS作成等はExcelがベースで、フォーマットの差異への対応、作成の作業負荷等に課題
  • 情報共有:現場、管理層(PM)、経営層の3レイヤ間での情報共有の方法
  • 分析:プロジェクトの実績データ等の分析作業もExcelを使用

【ツール選定のポイント】

  •  現行の管理手法に適用させるための柔軟なカスタマイズ性
  • 数千人がストレス無く利用できる優れたパフォーマンス
  • 海外導入の容易さ(多言語対応)

【ツール導入と利用状況】

  •  各プロジェクトの管理ツールとして「CA Clarity PPM」を採用
  • 各種管理作業、分析作業の効率化、効果的な情報共有基盤として活用中
  • ただし、予算管理とポートフォリオ管理には、自社開発の既存ツールを利用中
  • 今後、既存の仕組みとの兼ね合いを考慮しながら、「CA Clarity PPM」の適用範囲を拡張していくことを検討中


今回紹介した導入事例は、IT投資状況の可視化という側面ではなく、プロジェクト管理の側面からの導入でした。

IT投資効果の最大化に向け、様々な意思決定を推進していくためには、その判断材料として、総合的なプロジェクト管理・分析が重要であり、その実績データには高い精度が求められます。同行の取組みは、まさにその地盤作りともいうべきものだと思います。

今後も、企業におけるITプロジェクトの乱立、大規模化や多様化は避けられず、横断的に複数のプロジェクトを効率的に管理、分析することの重要性は高まるはずです。

PPMツール等を利用した横断的なプロジェクト管理を行うメリットとして、
IT投資効果を測る上での効果的な判断材料を整理できる点にあると思いますが、
加えて、
過去や現在進行中の他のプロジェクトと共通の基準で比較評価できることは、
自身のプロジェクト活動を見直し、改善に取り組みきっかけにもなることから、
現場におけるプロジェクト品質向上への動機付けとしての効果を果たす
というメリットもあるかと思います。

今後も、PPMの活用によって、効率的なプロジェクト管理活動を実現しつつ、
IT投資効果の最大化に向けた取り組みを推進する事例が、さらに増えていくことに
期待したいと思います。


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