2011年12月27日火曜日

ITIM分野の実務者が興味を持ったのは?(2011)

ふと気がつけば、今年も残すところあと数日になりました。


社会的には東日本大震災という忘れられない悲しい出来事があり、
経済的には欧州の債務危機やオリンパスの粉飾事件等、残念な出来事が起きてしまい、
「本当に大切なモノ=価値って、何だろう?」と色々と考えさせられる年でもありましたが、
皆さんにとって今年はどんな年だったのでしょうか?


いきなり重たい話でスタートしてしまいましたが・・・
個人的には昨年以上に多くの方とお会いすることができた中で
興味深い意見交換、情報交換ができた一年であり、
また新たな取り組みの機会にも恵まれた実り多き一年だったと思います。


社内外を問わず、多くのチャンスを与えてくれた関係者の皆さん、
そしてこのBlogを見てくれた&様々なフィードバックをくれた皆さんに、深く感謝しています。


今年は、仕事上の役割の変化、執筆活動、資格取得等、一年間に多くのチャレンジを
詰め込んでしまったため???、
残念ながらBlogの投稿は昨年に比べて大きく減少(昨年:3.5件/月→今年:1.5件/月)
してしまいましたが、
その反省も兼ねた一年の振り返りを、Google Analyticsのデータの一部からご紹介します。


■全体傾向(訪問数、ページビュー数、他)
  • 訪問者数は昨年に比べ、約1.5倍(昨年は約1,000訪問者/半年)に伸びています
  • また、PV数を見ると新規ユーザーとリピーターが逆転しています
  • 直帰率は、昨年に比べて約10%近く増えています


投稿数の大幅減を考えると、訪問者数が伸びた理由は分かりませんが・・・
推測するなら、純粋に該当分野に興味を持った方が増えたのかも???しれません。
そして、高い直帰率から、新たに興味を持った方々にとって、
このサイトは期待に応えられなかったことが分かります。残念ながら。。。


■参照元(ソースメディア)
  • 参照元は、昨年同様にGoogleからの検索結果が一番多い(約6割)です
  • 昨年は数%あったTwitterはランク外に消え、代わりにFacebook経由(=知人?)のアクセスが約2%あります


私の行動パターンは変わっていないので、ソースメディアの比率の変化はブラウザ・シェアや、ソーシャルネットワークの栄枯盛衰の影響かもしれません。


■検索傾向(キーワード)
  • 検索キーワードは、昨年同様に「IT投資評価」、「IT投資マネジメント」、「ガイドライン」等の組合せが多く、今年は「Val IT」、「アプリケーションポートフォリオ」等も使われています
  • また、PPM製品について、昨年は「Project Server」だけでしたが、今年は「Changepoint」、「Clarity」等で検索されてきたケースも増えています


国内では、まだ普及段階にあるとは言えないプロジェクトポートフォリオ・マネジメント製品も、
少しづつ注目が高まっているのかもしれません。
また、キーワードとサイト滞在時間の関係性を見ると・・・
ガイドライン等の検索で辿り着いた方は、PV数、サイト滞在時間にプラスの関係がありますが、
製品キーワードで検索された方にとっては、あまり期待に応えられなかったようです。


■閲覧ページ

■アクセス元(地域)
  • アクセス元の地域は、東京が一番多いものの昨年以上に全国に広く分布しています
  • グラフには表示されていませんが、海外からのアクセスは米国、ブラジル、豪州から数十件のアクセスがありました


国内では、北は北海道から、南は沖縄まで広く全国に、、、
海外では日本人が多いと言われている国に?
IT投資マネジメントに関わるテーマに興味がある方がいらっしゃるということですね。


昨年度の分析」と同じ視点で、一通りの簡易分析をしてみましたが、
限られたデータでも色々な仮説を立てて考えてみる(妄想してみる?)のは面白いですね。

閲覧ページの上位が昨年と殆ど変わらなかった
JUASのSRM」以外の上位の投稿は全て昨年度の投稿であった)ことは、軽く凹みましたし、
直帰率の上昇もコンテンツの魅力とマイナスの相関関係があると思うので、
反省すべきところは多くありますが、


昨年以上に多くの方がこのサイトを訪れてくれたこと、フィードバックをくれたこと、
そして、一部の方にとって・・・もしIT投資マネジメントについて何かを考えるキッカケになったのであれば、嬉しいです。


冒頭で触れた「本当に大切なモノ」について、、、
私の答えは「人との繋がり」なのかな?と、一年を振り返りながら考えています。

最後まで読んでくれた皆さま・・・
(少し早いですが)それでは、良いお年を。

2011年12月21日水曜日

IT Executive Scorecardとは?

今回は、数日前にWeb記事で見かけてからずっと気になっていた「IT Executive Scorecard」について、ご紹介します。

バランス・スコアカードの発展形?、それとも新しいフレームワーク?と期待して調べてみたら・・・正しくは「HP IT Executive Scorecard」という名前のHP社のITマネジメント管理製品でした。

詳細は下記のリンクを参照して欲しいのですが、HP社の製品サイトでは
「ITの測定基準を収集して重要業績評価指標を作成し、 上級管理者がビジネスサイドにわかりやすい形で情報を提示できる、スコアカードとダッシュボードを提供するツール」
と紹介されています。

残念ながらこのサイト上の情報は簡易デモだけで、具体的な内容が良くわからなかったので、少し調べてみたところ・・・現時点ではこの辺りの情報が一番分かりやすいですね。

この製品で私が共感を持てたのは、下記3点です。
  • HP社がベストプラクティスとして定義したKPIをテンプレートとして提供していること
  • 該当KPIを「ITの価値」「ユーザー満足度」「ITの運用品質」「先行投資」というBSCとマッピングしやすい4つの視点で区分していること
  • 該当KPIのモニタリングに必要な情報を収集する機能を有していること

実際にどこまでできるか?は、HP社のヒトに聞いてみないと分かりませんが・・・
システム全体を俯瞰して数値化することの重要性が理解されていない(正しくは、そういうアプローチそのものを認識されていない?)ことも多く、
重要性を理解していたとしても、実際にレポーティングの指標を定義することも、指標のモニタリングに必要な情報を集めることも結構大変なワークなので、きちんと実運用できている企業は多くは無いはず。

そう考えると、指標+測定方法が一定の仕組みとして利用できるのは、魅力的ですね。
<出典:IT運用の改善はKPIベースの全体俯瞰から(ITPro)>



















但し、現時点では英語版のみで、価格も100万円/ユーザーというライセンス体系なので、普及するには、まだまだ時間がかかりそう。

該当製品を単に導入することで、「システム全体の可視化ができる」とは思えませんが、定義されたKPIの中には「なるほど」と感じる指標も結構あったので、該当分野に携わっている方には参考になると思います。
#特に、4つの指標のサブ項目定義がスマートですね。

サービスマネジメント分野に明るい知人にこの製品の話をしたら、「KPIの指標がITILで定義されている指標に似てる」と言ってましたし。

大雑把に言えば、BSC+ITIL=IT Executive Scorecardという認識で良いのかもしれませんね。

最後に・・・今回は思うところがあって、初めて?顔文字無しでこのエントリを書きましたが、日頃から使い慣れていた(曖昧な表現は顔文字で誤魔化していた?)せいか、予想以上に文末表現に苦しんでしまいました。
どんな些細なことであれ、「変える」ことは大変ですね。