2011年11月30日水曜日

ベンチャーで働くコンサルタントの気づき、その2(ITIM編)

担当しているPJ、研究活動以外に人事評価&採用やらコーポレートサイトのリニューアルやらが重なって右往左往していたので、またまた更新間隔が開いてしまいましたが・・・
今回は、前回に引き続きIT投資マネジメントをテーマとした振り返り(私自身の気づき)について、ご紹介したいと思います。

ここ最近の調べモノの影響を強く受けている?ので、内容として偏りもあり、「言い過ぎじゃね?」という部分もあるかもしれませんが・・・このエントリを見たIT投資に係わる実務家の方にとって「そんな考え方もあるかもねー」という参考になれば(^^;



■(誤解を恐れずに言えば)欧米企業との単純比較は、本質的には意味が無い
→「比較が要らない」とか、「比較は国内企業との比較だけで十分」と言っているのではなく、安易で単純な比較には意味が無いなーと感じることが多いです。
→例えば、、、「A分野は欧米企業のIT投資はx%だけど、国内企業はx%程度しかなく、劣っている」というような論調をよく見かけますが、それらの多くが上辺の数値しか捉えておらず、背景にある環境の差異、もっと言えば文化的な差異を考慮していないことが多いなと。
→勿論、私自身も調査、研究で欧米企業ではどうか?ということは気にしていますし、必要に応じてレポートにも含めますが、あくまでInputの一つに位置付けるべきもので、それだけで主張してはアカンなと。その事象を事実(問題点)として捉えたとしても、具体論なアクションに落とす段階で論理の飛躍に気づく(要は同じことができない)ので、それじゃ意味ないなーと思います。

■比率を見る時には、分母が重要
→IT投資に限らず何らかの比率の説明をする場合、本来はその説明に必要となる適正な母集団があるはずですが、IT投資に係わる比率ではその母数が(範囲としても、数としても)オカシイことが結構あるのでは?と感じます。
→例えば、 あるレポートでは「企業情報システムの障害の7割は運用・保守フェーズに起因している」という話が記載されてましたが、その母数となる障害数は「報道記事として扱われた数」で構成されていました。。。orz(設計・開発フェーズの全ての障害が報道されるのか???)
→不思議なことに身近な数値については、前提となるロジックがオカシイことにすぐに気がつくのですが、統計データや桁の大きな数値になって具体的なイメージができなくなると・・・なぜか母数の妥当性を考えることを見落とすケースが多い気がします(^^; 


■成果指標は、決めることより測定することの方が数倍難しい
→これもIT投資の指標に限った話ではありませんが、多くの企業において成果指標を決めるところまでは熱心なレビュー、議論が繰り返されますが、決めた指標を継続的にモニタリングすることができる企業となると、かなり限定的になるなーと感じます。
→コンサルタントとして仕事をしていると、様々な成果指標を定義する機会がありますが、(実行性の考慮が不十分なまま)理想的な指標を定義することに注力してその後が尻すぼみになるケースと、簡易であっても指標を継続的に測定している(測定結果を踏まえて改善している)ケースでは、数年後の差が大きく違うことを痛感します。 

今回は気づきと言いつつ、「ネガティブな注意事項」のような話ばかりになってしまいましたが、古くて新しいテーマ(昔から根本的な部分は変わってないけど、アプローチや考え方が変わってきているテーマ)であるIT投資のマネジメントについては、意外と当たり前のことが当たり前にできていないのかもしれません。

但し、何かに対して批判をしたいという意図ではなく、IT投資マネジメントという悩ましいテーマを扱う上で十分に考えなきゃいけないなーという自戒を込めて(^^;

ちなみに、今回のエントリ内容は全てが私自身のオリジナルということでもなく、色々な方とのコミュンケーションを通して分かったこと、教えて頂いたこともしっかりと含まれてます。
色々と意見交換/情報交換させて頂いた皆さま、本当にありがとうございましたm(_ _)m

最後に・・・ベンチャー企業ならでは?の話として、「このBlogを会社サイトからリンクする計画?」が浮上していたのですが、思ったことを気軽に書けなくなるのは避けたかったので、とりあえず今回は先送りしました(^^;

但し、このBlogを読んでくれている読者の方と、いつか一緒に仕事をしてみたいなーと考えたりすることもあるので、いつの日か?会社サイトからリンクが貼られても耐えうる内容にはしていきたいと思ってます(^^)v