2011年4月7日木曜日

「xx県情報システム全体最適化計画」を見て。。。

官公庁のIT事情には全く明るく無いのですが・・「政府情報システム改革検討会」(その1/その2)の話以来、少し興味を持ったので、今回は地方の県における情報システムの話を少し。。。


まず、調べてみて驚いたのですが、地方でも情報システムに係わる情報公開が進んでいます。

以前(と言っても十年以上昔の話ですが。。。)、2年間ほど官公庁(主に霞が関+外郭団体)を担当していたので、良くも悪くも民間企業との文化/制約等の違いは理解しているつもり?だったので、あまり期待はしていなかったのですが、意外に・・・というか想像以上に?情報公開が進んでいますね(^^;


どうやら、平成19年3月に制定された総務省の「新電子自治体推進指針」に少なからず影響を受けているようです(^^)


「地方」と言いながら、47都道府県を調べる時間も無いので、、、今回は私の地元である岡山県を中心に周辺で情報公開が進んでいると思われた3つの県の「情報システム計画」にフォーカスをあて、その中から私が感じたことをご紹介したいと思います。

上記の計画は何れもH20~H22年に公開され、県の情報システムの最適化をテーマに扱われた資料で、骨子レベルでは①現状分析、②構想策定、③アクションプランという構成で大きな差異は無いものの、見比べてみると、、、意外に?内容だけでなく、考え方の違いに驚かされます。

具体的には・・・
<岡山県>
  • 別途整理されている会議資料概要版からも、目的、取組みの妥当性が分かりやすく纏められており、何を課題視し、いつまでに何に取り組み、どういう効果を狙うか?が非常に分かりやすく整理されています。
    #地元・・・という贔屓目込みですが、一番良く出来ているのではないかと(^^)
  • 具体的な取組みとしては、「汎用機のオープン化」を中心に、「サーバー統合」、「ID統合」、「ライセンス管理」が挙げられており、H25年までに7.5億/年のランニングコストの抑制を目標に掲げています。
<広島県>
  • 抽象的な構想策定だけでなく、もう少し踏み込んで基本方針に一定の技術論を盛り込んでいる点、広範な取り組みを検討している点には非常に好感が持てますが、一方でシステム個別の(数値上の)情報開示や目的と取組みの連動性が十分とは言えないような・・・
    #目標数値は掲げられているので、(やっていないはずはなく)情報公開を渋っただけ???(^^;
  • 具体的な取組みは、「システム個別の適正化」、「汎用機のオープン化」、「共通基盤の整備」、「セキュリティ強化」等で、H22年度までに14億/年のランニングコストの抑制を目標に掲げています。
<鳥取県>
  • 全体構成は他県と類似していますが、汎用機上の基幹業務のオープン化是非の検討が中心となっており、投資対効果のシュミレーション、指標ベースの比較部分は・・・内容の妥当性は別として、、、興味深いです。
  • 但し、全体最適化という名目を考えると、規模の異なる他県と比べて半ば強引に結論付けしていること、そして構想(あるべき姿)と結論が異なっていることが、非常に残念です。
    #何となく・・・一定の結論に導くための情報を積み上げられたような印象が残ります(T_T)
  • 具体的な取組みは、「汎用機の維持?」と「サーバー統合」で、目標は12百万円/年の電気代抑制?のようです。。。orz
<補足:全国的な傾向(岡山県情報システム最適化計画会議資料より引用>
  • システム最適化計画を策定しているのは、16府県(34.0%)
    <都道府県CIOフォーラム「年次総会資料」(平成19年8月)>
  • レガシーシステム(汎用機システム等)からオープンシステムへの変更は、32都道府県(68.1%) 
    <全国都道府県情報管理主管課長会「都道府県における情報処理の運営状況」(平成19年度)>
  • 汎用機システム(大型コンピュータ)を完全に廃止しているのは、7県(14.9%)
    <全国都道府県情報管理主管課長会「都道府県における情報処理の運営状況」(平成19年度)>

公的機関という性質上、戦略的なIT投資は(概念としても?)あまり無く、コスト抑制のみが取り組み目的に位置付けられているため、IT投資のマネジメント・・・という観点で、触れられる話は限られますが、
  1. 規模こそ違えど同種の業務を実施しているはずの3県で、同じ指針に従った取り組みにも関わらず・・・これだけ全体最適化計画の考え方が違う
    ⇒仮に3県にIT投資管理のフレームワークを導入する場合も、(人的リソース、組織文化の関係性があるので)枠組みを共通化するのは現実的ではなさそう。。。(^^;
  2. 投資効果の検討に際し、シュミレーションや指標ベースの比較等、検討の枠組みがしっかりしていても、内容次第で納得感に欠けてしまう
    ⇒評価のフレームワークは重要だけど、それ以上に重要なものがある???肝心の中身が作文になってしまうと・・・意味は無い?(^^;
という、当り前のことを感じました。

なお、現段階では難しそうですが、将来はコスト抑制だけでなく、主要システムが県民にとってどのように役立っているか?というような視点で投資効果を指標で目標設定&実態公開されていると、素敵なのになーと思います(^^)

最後に・・・関係者の方がこのBlogを見ることは無いとは思いますが、もしいらっしゃったら、辛口コメント?は大目に見て下さいねー。あくまで、公開情報から感じた私見なので(^^;

皆さんの地元の都道府県の取組みはどうなっていますか?

面白い取り組み、先進的な取り組みをしているところがあれば、是非教えてください(^^)

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