2011年2月28日月曜日

PPM製品の意外な使い方?

先日、先輩コンサルタントの紹介で、PPM(Project  Portfolio Management)製品を導入している会社(以下、A社)の方に、ヒアリングをする機会がありましたので、今回はその話を少し。。。

Blogという性質上、A社の企業概要について具体的な話は避けますが、百数十人規模のIT部門でC社のPPM製品を活用している一部上場企業です(^^;

ヒアリングを通して、導入前後の変化、影響や、利用者としての率直な感想等、多岐に渡って教えて頂いたのですが、一番興味深かったのは・・・PPM製品の使い方でした。
結論から言えば・・・A社では、「プロジェクトの管理(スケジュール管理、課題管理)よりもむしろ、IT要員の管理(業務の可視化)のためにPPMを使っている」ことが分かりました。

IT投資マネジメント分野、PPM製品の動向を調査している中で、気がつけば・・・製品の特徴、機能を前提とした使い方を勝手に?想像していましたが、一般に多機能型の製品が多いことを考えると、使い方を絞る(割り切って使う)ことは非常に重要なことだと感じました。

改めて・・・PPMの定義を確認しようとしたところ、このBlogでも何度も扱ってきたにも関わらず、明確な用語定義をしていなかったので、@IT情報マネジメントの「ポートフォリオ・マネジメント」の用語定義から該当部分を引用すると、、、
複数の個別プロジェクトの状況や特性(進捗、リソース、将来性、技術リスクなど)を横断的に把握することで、プロジェクトの選定・着手順序・追加投資・改善・中止などの意思決定を行う仕組み

また、同様にPMI標準におけるポートフォリオマネジメントの定義は、、、
特定の戦略的ビジネス目標を達成するために、1つまたは複数のポートフォリオを集中してマネジメントすること

一般に・・・という一括りも良くないかもしれませんが、今回のA社のケースは「良い意味で」一般とは割り切り方?が違うと感じます。
パッケージ製品を使う場合、全ての機能を使いこなすことが良いとは限りませんしね(^^;

A社の方からお伺いしたことの一部を(差し支えない範囲で)ご紹介すると・・・
  • PPMの導入前には・・・「多様なIT部門業務を全て工数で可視化するのは単純ではない、等」現場には抵抗があった。
  • しかし、結果的には工数管理の部分は参考程度になっており、社内の全案件をツールで一覧化できたことが一番、役に立っている。
  • 具体的には、今どんな案件が動いていて、今後どんな案件が動くのかが各担当者も把握できるため、中期の取り組み計画が容易に立てられるようになった。
  • 管理職にとっては、稼働状況、IT投資額が把握できることにより、数値に基づいた仮説が立てられることも大きい。
企業規模が大きくなるにつれ、IT投資のマネジメントに際して・・・当り前と思うことがその規模の大きさに起因して当り前にできなくなるケースが多くありますが、A社の場合はPPM製品がその点を上手くカバーしている(つないでいる)とも言えそうです。

最後に、、、案件当事者でなければ分からない貴重な情報を得るキッカケを作ってくれた先輩コンサルタントのFさん(この投稿を見ているかどうかは定かではありませんが・・・)、本当にありがとうございましたm(_ _)m

今回のヒアリングを通して・・・コンサルティングを生業としている一人として、人脈の重要性、有り難さを改めて感じると共に、表面的な情報だけで勝手な思い込みをしていた自身への反省ができました。
まだまだ・・・精進が足りませんね(>_<)

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