2010年8月30日月曜日

ITGIの「Val ITフレームワーク」

前回は書籍を紹介しましたが、今回はVal ITのフレームワークについての話をメモしておきます。


ValIT(Enterprise Value: Governance of IT Investments, The Val IT Framework)は、ITGI(米国ITガバナンス協会)が、COBITを補完・拡張する位置付けで、IT投資管理のフレームワークとして体系化し、2006年に初版(v1.0)、2008年に第二版(v2.0)を制定しています。


#分かりやすい解説は用語解説サイトに譲りたいと思います(^^;


国内では、ITGI Japanが翻訳版を出しており、第二版(v2.0)は今年2月からITGIのWebサイトで公開されています。


ちなみに・・・Val IT2.0の原文を読みたい方は、コチラ。


ガイドラインの内容は、全6章、計118頁とボリュームがありますが、IT投資マネジメントに係わる実務者が着目すべき(と個人的に捉えている)部分は、4章~6章になると思います。


  1. 企業価値: 総合的/実践的アプローチの必要性
  2. Val IT フレームワークとは何か
  3. 主な用語、原則、ドメイン
  4. Val IT プロセス
  5. Val IT プロセスと重要な管理施策の詳細説明
  6. 部門の説明責任と実行責任


Val ITではプロセスをVG(価値ガバナンス)、PM(ポートフォリオ管理)、IM(投資管理)の3つのドメイン(領域)に大別しており、各ドメインで対応すべき内容について、「インプット」、「アウトプット」、「アクティビティ」、「役割」、「達成目標」、「測定指標」を具体的に定義してある点が、非常に参考になります。

なお、3つのドメインの「目的」について、ガイドラインの一部を引用すると、

VG:バリューマネジメント手順が企業内に確実に組み込まれ、経済的ライフサイクル全体を通じて、IT 関連の投資から最適な価値を確実に創出できるようにすること
PM:IT 関連の投資のポートフォリオを通じて、企業が最適な価値を確実に創出できるようにすること
IM:企業の個々のIT 関連の投資が、最適な価値に確実に貢献できるようにすること

と定義されていますが、各ドメインで纏められている内容を大雑把に表現するなら、
  • VG:IT投資価値の最大化のための体制、制度
  • PM:案件一覧の作成と案件選択の方法
  • IM:各ITプロジェクト(=プログラム)の開始~終了までの一連のライフサイクル管理
という感じでしょうか(^^)

グローバルスタンダードと言われるだけあって、今まで紹介してきた他のガイドラインと比べても、遜色のない非常に充実した内容になっていますが、一方で下記の3点は念頭に置いておかないと、実務者にとってはツライかな?とも思います(^^;
  • 各プロセスを事細かに定義し過ぎている?
    →詳細であるのは悪いことではないのですが、このガイドライン全てに沿う形で実務を進めるのは(時間/体制の制約条件的に)かなりキツイかも。。。
  • 当たり前のことも・・・当たり前にしっかり書いてある?
    →特に何が重要か?という観点で、ポイントを絞ることが逆に難しい。。。
  • COBITを採用していない企業にとっては、COBITとの整合性が強過ぎる?
    →結果的に定義内容が重複しているものも見受けられる。。。


踏み込んだ内容は、公開されているガイドラインを見て頂くのが一番かな?とも思いますが、最後に活用法について、私の考えをコメントすると・・・


Val ITのフレームワークは、各ドメインの定義に従って全てのアクティビティを一つ一つ対応付けて進めるような正しい使い方をするよりも、(あくまで「ベストプラクティス」と位置付け)現状把握&モニタリングのガイドラインとして、(現状のIT投資管理で何が出来ていて、何が出来ていない?)をチェックするような割り切った使い方、アプローチの方が適しているのでは?と捉えています(^^;


Val ITを実践的に活用している方で、「上記の考え方ではアカン!」という方がいらっしゃれば、是非コメント下さいm(_ _)m

2010年8月23日月曜日

「Val IT入門」(野村総合研究所著)を読んで

「IT投資管理のグローバルスタンダード」と紹介されることが増えつつある「Val IT」について・・・、
今年2月にITGI Japan(日本ITガバナンス協会)から公開されていた「Val IT2.0(日本語版)」は目を通していたものの、「きちんと理解できていないなー」と感じていたところ、渡りに船の本があること?を知ったので読んでみました(^^;

Val IT1.0をベースにしていること(最新版は2.0)は購入前に気付いていたのですが、「入門」というタイトルに惹かれて・・・つい(^^)

ValIT入門―IT投資管理フレームワークValIT入門―IT投資管理フレームワーク
野村総合研究所システムコンサルティング事業本部

生産性出版 2008-03

(Amazonで詳しく見る)

本書は、全10章の内容を下記の3部で構成しており、
  • 第一部:Val ITの導入 (第1章~第3章)
    →「一般的なIT投資マネジメントの考え方とVal ITの紐付け」が中心
  • 第ニ部:Val ITの解説 (第4章~第6章)
    →その名の通り「Val ITの日本語訳+著者の補足に基づく解説」
  • 第三部:Val ITの実践 (第7章~第10章)
    →Val ITの考え方を踏まえた?「IT投資マネジメント推進のポイント」の説明

正直なところ、
第一部はVal ITとは直接関係しない&多くのITIM書籍、調査レポートで記載されている話(重要なコトだけど、「Val IT」の入門書なのに???)、
第二部は解説と言いながらも読み続ける心が折れそうになるぐらいの分かりにくさ・・・
だったので、「読書に費やした時間を返して欲しい」ぐらいの気持ちになりました。。。(著者の方、ゴメンナサイ)
しかし、第三部は・・・Val ITと直接関係しない点は第一部と共通ながら、内容は「Excellent!」の一言に尽きます。

ITIM分野の書籍の多くが、概念・考え方・アプローチといった抽象論までの説明に留まることが多い中、本書の第三部では著者の実践的なノウハウが具体的にまとめられていますので、実務者にとっては非常に大きな価値があると感じます。
特に、下記のテーマ部分は、「実践的」でオススメです。
  • 投資カテゴリーの定義(第7章)
  • 投資プログラムの選別、優先順位付け(第8章)
  • 投資プログラムの計画立案(第9章)

長くなるので引用はしませんが、従来ITIM分野で実務を担ってきた方も、こらから該当分野の実務を担う方にとっても、非常に有用な内容で、参考になると思いますので、是非読んでみてください。
少なくとも、私には大変参考になりましたv( ̄ー ̄)v

最後に・・・そもそも「Val ITとは?」については、2.0の内容を中心に次回以降にご紹介を。。。(^^;

2010年8月17日火曜日

Microsoft Project Server 2010

IT投資マネジメント・・・と言いながら、PPMネタの比率が高いですが、今回はMSのProject Server 2010について。


「PPM製品」というカテゴリー分類が正しいかどうかは議論の余地がありそうですが、Microsoftも最新版の「Project Server 2010」から、従来のプロジェクト管理/リソース管理機能の延長で、IT投資効果も測定、管理できるソリューションとして提供を始めています。


具体的には、従来は「Project Portfolio Server」という名称でPPM製品を提供していましたが、「Project Server」に「SharePoint Server(SPS)」との連携を強化し、別製品だった「Project Portfolio Server」を統合して「Project Server 2010」になっています。
「Project Portfolio Server」が英語版のみの提供だったことを考えると、大きな前進ですね(^^)


この「Project Server 2010」は、Microsoftとしてもかなり力を入れているようで、クライアント型のプロジェクト管理ツールとして圧倒的なシェアを誇る「Project」と、情報共有ポータル製品としてここ数年でシェアを大きく伸ばしたSPSの発展形として新たな市場の獲得を狙っているようです。


前置きが長くなりましたが、この「Project Server 2010」の概要を紹介しておくと・・
  • 上述の通り、基本的にはプロジェクト管理/リソース管理/スケジュール管理システムのプラットフォームにPPM機能が統合された製品。
  • PPM機能に注目すると、ポートフォリオの管理/分析等の機能は実装されていますが、シュミレーション機能を含め数値管理的な部分はどこまで実装されているかは不明。
  • 価格はオンプレミス型のサーバライセンス(Open Businessライセンス参考価格)が¥948,000~、クライアントライセンスが¥21,200/台(別途SPS2010のCALも必要)。
  • オンプレミス型の製品以外に、オンデマンド型も提供される見込みだが、現時点では詳細未定。

残念ながら現時点では、この製品を評価する材料を持ちあわせていませんが(数ヶ月前にSPSのセミナーでPRしているのを聞いたくらい?)、公開情報を見る限りIT投資管理の機能としてはあくまでベストプラクティスを目指すレベルの状況(PPM製品としては他社製品には見劣りする状況)のようです。

但し、実務者としてはMS Projectで慣れ親しんだインターフェースで、プロジェクト管理だけでなくポートフォリオまで管理できるようになるというスキームは魅力的ですし、使用版も提供されているので、時間を見つけて簡単な検証をしてみようと思ってます。乞うご期待ということで(^^;

最後に・・・PPM製品は、以前にこのBlogでご紹介した「@task」の他にも、CA社の「Clarity PPM」、Compuware社の「Changepoint」等、以前から該当分野に注力してきた企業の製品もあります。
各社共にPRが増えてきていることを考えると、PPM製品の市場も少しづつ大きくなってきている(競合も激しくなってきている?)と言えますが、ITIM分野全体の広がりという観点で考えれば、今後の進展が非常に楽しみですv( ̄ー ̄)v

2010年8月12日木曜日

JIPDECの「IT投資マネジメントガイドライン」

IT投資マネジメントのガイドラインに関する備忘録?の第二弾として、JIPDEC(日本情報処理開発協会)「IT投資マネジメントガイドライン」をメモしておきます(^^;


このガイドラインは、「IT投資マネジメントの調査指針に関する調査報告書」からの抜粋文書という扱いで公開されています。


内容は、「ガイダンス編」、「理論編」、「実践編」、「手法編」、「リファレンス編」の5部で編成されており、ガイドラインそのものの使い方(読み方)から、具体的なプロセス、進め方、評価方法、参考指標に至るまで非常に盛り沢山な内容となっています。
#テンプレートのExcelシートまで公開されていたのには、正直驚きました。


また、IT統制という観点では経産省が公表している「システム管理基準」や、ITGIの「COBIT」との対比が纏められていたり、IT投資マネジメントの成熟度としては以前このBlogでもご紹介したGAOの「IT投資プロセス管理」手法を引用したりと、他のフレームワークとの整合を図っている点も、非常に参考になると思います。


つまり・・・IT投資マネジメント分野に携わる方にとっては、「非常に充実した内容&有用な資料」と言えると思います!


但し、、、教科書&参考書的な側面も少なからずあり、上記の裏を返せば・・・「全ての企業が汎用的に使うにはちょっと細かいなー」と言えなくも無いです。(このフレームワークに最初から当てはめるのは敷居が高いと言う表現の方が適切かな?)
#実際に、私が担当しているクライアントの方も、このガイドラインでちょっと悩んでましたし。。。


ちなみに、このガイドラインには読者対象が明記されています。一部を引用させて頂くと・・・
本ガイドラインは、組織が全社IT マネジメントの一環として、IT 投資マネジメントを実践する際の指針である。主な読者対象は、以下のようにIT 投資マネジメントあるいはIT投資の評価にこれから取り組もうとしているユーザー企業のIT 企画部門担当者、IT 投資評価を必ずしも専門としないIT コンサルタントである。
「IT投資評価を必ずしも専門としないコンサルタント」と書かれると、ちょっとドキっとします(^^;


なお、 「このガイドラインだけでなく調査報告書の全文が読みたい!」という方は、JIPDECに問い合せて下さい。予想に反して?注文後直ぐに発送してもらえましたし、3千円ちょっとで購入できる報告書としては、非常に価値があると・・・私は思っています(^^)

2010年8月10日火曜日

@taskを使ってみました

PPMツールの好奇心半分&担当プロジェクトで使えるかも?のリサーチ半分で、主要PPM製品の一つである米AtTask社(日本アットタスク社)の@task(アットタスク)を使ってみました。

@task」とは・・・

  • 米AtTask社が提供するオンデマンド型のプロジェクト管理ツール(クラウドサービスの他、オンプレミス向けのソフトウェアライセンス有)。
  • USのFortune企業を中心にグローバルでは10万ライセンスを販売。日本を含む多ヶ国向けにローカライズ対応。(導入企業にはApple、Amazon、GE、Google、Toyotaといった錚錚たるグローバル企業他、Fujitsu、Hitachiも名を連ねてます)
  • プロジェクトの進捗を管理するためのタスク管理/リソース管理/スケジュール管理等は勿論のこと、ポートフォリオ管理、要求管理、文書管理等々、かなり多機能。
  • クラウドサービスの価格は¥42,000/管理者/年~、¥27,000/ユーザー/年~(チームメンバーライセンスの場合)。

【収益管理の画面】


【ポートフォリオグラフ】


機能の詳細はAtTask社のWebサイトを見て頂くとして、、、興味深かった点&使ってみた中での所感を少し。

【Good】
  • UIが、かなりイケている。。。多機能な割には、使い方が洗練されていて使い易い(市場で評価されている理由?)
  • MS Projectと同期できたり、Salesforceと連携できたり・・・と、外部連携が考慮されている
  • マネージメントに特化したPPMツールではなく、プロジェクト活動に必要な一連の情報を操作/管理可能なポータルサービスと言える程、コラボレーション機能も充実している

【Bad】
  • 個々のタスク(入力)の積上げでエグゼクティブ/マネージメント・サマリーが出るアプローチで、プロジェクトメンバ全員がライセンスを持たないと意味が無い
  • 直感的に操作できるようには作られているものの、多機能過ぎて使うプロジェクトは選ばざるを得ない。。。(少なくとも小規模プロジェクトには向かない)
  • 良い点の裏返しにもなるが、コラボレーション機能も含め全てコミコミで使う前提でないと使い難い(他の管理ツールとの併用も現実的ではない)

結局、一定規模以上の組織/プロジェクトでないと(機能の使いこなしも含めて)導入効果を得にくく、一方でその規模で使うとなると相応のコスト(ライセンス/教育)が必要という悩ましさに直面しますね。。。

但し、このBlogで紹介したとおり「PPM製品への注目度が高まっている」ことを考えれば、@taskは国内でも結構売れるのでは?と思っていますので、PPM製品に興味がある方は是非調べてみてください。
調べるよりも、日本アットタスク社のWebサイトから「無料トライアル」を申し込んだ方が、早いかも?(^^;

個人的には、非常に好感触を得たツールでしたが、もっと機能を絞り込んだ(Professionalよりも)ライトなバージョンを出して欲しいなーというのが今回の結論です。

それにしても、操作デモ環境にYouTubeを使う時代なんですね。ちょっと新鮮でした(^^)

2010年8月8日日曜日

最近のIT投資マネジメントTopics

クライアントから最近のIT投資マネジメント(ITIM)のTopicsを質問されたので、その回答内容も備忘録を兼ねて・・・メモしておきます。


最近の記事で私にとって参考になったTopicsを3つ挙げるとすれば・・・


  1. IT投資ポートフォリオの作成は、CEO、CIOのミッションITmedia エグゼクティブ
  2. 投資効果を最大化するための“仕組み”とは?(@IT)
  3. 不景気の時こそ、プロジェクト/ポートフォリオ・マネジメントが効果を発揮(CIO Online)


各記事の内容については私が説明するよりも各サイトを直接見て頂きたいと思いますが、私が特に参考になったと感じた識者のコメントの一部を引用させて頂くと、


「投資内容よりも、他の影響要因が強く関係する。中でも、人的要因、情報の蓄積状況、組織のあり方が重要。効果目標を明確にし、配分可能な予算調整、効果を最大化するための施策検討が優先であり、IT投資ポートフォリオ戦略の立案、実施がCIOの責任となる」(武蔵大学 松島教授)
「PPMはIT投資額が大きな大企業ほど効果が望めるため、現在、実践に乗り出しているのも大企業が中心だ。しかし、投資効果の最大化はあらゆる規模の企業にとって普遍的な課題でもある。実際にPPMに対する認知度は着実に高まり続けており、IT関連企業のほか、製品開発の優先順位付けにPPMの概念が求められる製造業からも問い合わせをいただいている」(CA 澤野氏) 
「それでも、今はプロジェクト・マネジメントやポートフォリオ・マネジメントの予算を削減すべきでない、予算削減により、プロジェクトが失敗する率が高まれば、その分、予算を無駄に費やすことになる。景気が落ち込んでいるときにそんな無駄は許されない」(米フォレスターリサーチ ヴィジタシオン氏)
識者のコメントには説得力がありますね。
考えているコト、想いは私も変わらないはず?ですが・・・クライアントからTopicsを聞かれるのではなく、語る立場になれるよう精進しなきゃ(^^;


2010年8月7日土曜日

「甦るIT投資」(NTTビジネスコンサルティング著)を読んで

積読状態となっていた書籍の一つ「甦るIT投資」を、やっと読みました(^^;

甦るIT投資―実力を発揮する6つのキーポイント甦るIT投資―実力を発揮する6つのキーポイント
NTTデータビジネスコンサルティング

日経BP企画 2006-09
おすすめ平均

(Amazonで詳しく見る)
IT投資・・・というタイトルながら、情報システムをより有効に機能させるためのコンサルティングの進め方が主なテーマであったため、IT投資マネジメントの内容を期待していた私にとっては少し期待外れでしたが、文末に診断テンプレート等が用意されており、「ITシステムの正常化」に向けたアプローチを一貫して主張している点には共感が持てました。

残念ながら、内容的には少し古さは感じる部分があり(数年前の本だから当たり前?)、
主張されているべき論を実際に推進するためのコストを考えると、汎用的なIT投資における考え方としてはあまり現実的ではないと感じました。

但し、基幹システム刷新等の大規模プロジェクトのサブリーダー以上のヒトにとっては、多くの示唆を含む本だと思います。
#私も該当するシステム構築に関わっていた数年前なら、もっと役立てられたかも・・・(^^;

なお、
本書の筆者が主張している「情報システムを活用するための進め方」

  • 「現場力」、「経営力」、「情報力」の三位一体の進め方(業務プロセス、戦略、情報システムの均衡)

IT投資マネジメント分野で松島教授が提唱されている「IT投資の合意形成アプローチ」

  • 「合意形成の三角形」(経営者、利用者、情報システム部門の合意形成アプローチ)

上記2つが類似している点は、非常に興味深く感じました。

今回の教訓:「IT投資」というキーワードだけで書籍を購入するのは止めよう。。。

2010年8月4日水曜日

GAOの「IT投資プロセス管理フレームワーク」

GAO(the U.S. Government Accountability Office:米国会計検査院)のIT投資プロセス管理のフレームワークを読み返しました。

このガイドラインは、その名の通り「IT投資プロセス」が百数十頁に渡って記載されていますが、実務としてはIT投資マネジメントの1stステップとして、企業/組織の成熟度のステージ分析に使われることが多いと思います。
やはり、公的機関で採用されている手法というのは、信憑性という意味では高いですからね。


この手のガイドラインがしっかりと確立されているところは、米国の良いところだと思います(^^;


GAOのフレームワークの原文(Ver1.1)はコチラ




GAOのフレームワークの分かりやすい解説はコチラ


残念ながら、国内の公的文書としては同種のフレームワークはありませんが(私が知らないだけかも?)、このガイドラインを取り入れた公的団体のガイドラインはあるので、その話はまた今度。。。


2回目の投稿で既にブログというよりも、備忘録になってしまった。。。orz

2010年8月2日月曜日

PPM製品の注目度が高まっている?

PPM(Project and Portfolio Management:プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント)分野の製品に対する注目度が高まっています。
該当分野の製品は、海外(特に米国)では多くの企業で活用されており、国内でも一定範囲では使われていたようですが、最近になって関連ベンダーの製品PR、紹介記事を多く見かけるようになってきました。



記事にも書かれている通り、PPM製品の注目度の高まりには、ITに関わる経済情勢の変化の影響が大きいと思いますが、国内でも「クラウド型サービス」の増加により、IT投資コストの可視化が従来上に強く求められており、製品を導入しないまでも同種の取組みは多くの企業にとって必要になってくると思います。

PPMって、「事業ポートフォリオのマトリックス分析手法でしょ!」という方は・・・正解ですが、コチラも見てみて下さい(^^;


PPMはIT投資マネジメント(ITIM)分野にも深く関係する分野であり、これからも注視しておきたいと思っています。